『あのアシスタントの女の子も喜ぶだろう?春木くんの個展をすごく楽しみにしてたから。』


反射的に目をやったヒナのデスクの上には、電源の切られたパソコンのみが置いてある。



私物は何も残っていない。
この部屋のどこにも。



やりかけの仕事だけが、彼女が確かにここにいた事を証明していた。




「……はい。」