バタン―


「未來さん!さっきのって何なんですか!?」


「あぁー」


未來はフゥとため息を出しながら、長い髪の毛を触る。



「私ね、ここの病室長の娘なのよ。
だから、私新しく入院した人の顔は一応覚えておいた方がいいかなぁて思って。」



「それで、たまたま私が来たときに目が覚めてさぁ。記憶喪失ってわかんなくて、冗談で“私が助けたのよ。”って言っちゃったのよ」

えへへと笑う未來に沙良はキレる


「なによっそれ!?おかしいじゃないっ!!


私…俊くんに本当の事言ってくるっ!!」



「ダメ!!」



え?



「今、俊くんにそんな事言えば、こんがらかって苦しむことになるわっ!!」



っ!?おかしくしたのはそっちじゃないの!!?


私は未來の言葉にまた、言葉を失った