ねぇ…!!俊くんっねぇてば



ピーポピーポ

救急車の音と共に、俊くんも一緒に運ばれた。



「いやぁ!!しゅっ俊くんっ!」


いくら涙を流したって、いくら叫んだって、


俊くんは返事をくれない。



ただ立っていた間に救急車は行ってしまった。


たった数10秒が永遠のように思えた瞬間だった

「はぁはぁっ俊!」


誰…?

振り向くと俊くんのおじいさんが、息切れをして走ってきた。


「病院…」


海斗がポツと独り言のように言う。



「俊のじいちゃん!病院に連れてってくれっ」


沙良も泣きながら小さく、『お願いします』と言った