日曜10時。
私は電車とバスを乗り継いで1時間というショッピングモールにやってきていた。

普段なら、紀尾井屋書店でバイトに勤しんでいる時間帯、どうして私がこんなところにいるかというと……。


「深山さん」


後ろから声をかけてくる、すでに聞き慣れた声。


「佐橋先輩、どこから回りますか?」


「そうだなぁ、まずはユキと惇が待ち合わせた広場に行ってみよう」


今日、なぜかなぜか!?

私と佐橋先輩は二人きりでこのショッピングモールにやってきているのだ。