少女の名前は乃春この道場の跡取り娘だ。



乃春の父と母のあいだには乃春の他に妹が二人いる。



道場の跡取りにと息子を願っていた父の期待とは裏腹に、生まれてきたのは娘三人。



父の期待に少しでも答えようと長女の乃春は幼い頃から男の子に混じり修行に励んだ。



結果父の期待以上に刀の腕前は成長した。




ただ一つ問題がある。




「乃春お前本当に女かよ、そんなんじゃいつまでたっても嫁の貰い手がねぇぞ」



18になっても未だに縁談の話が来ないことだ。