届けられる、大量のお絞り。
眞子は、指先でそれをポイポイと廣井さんに送り出しながら。

涙目の廣井さん。
あんなに咳き込んじゃって、可哀想。

そう思っていたら、眞子が「爺さんか?」なんて嫌味たれてるのが聞こえた。


今日の眞子は、いつにも増して辛辣な気が・・・。汗




と、午前中に届いた。
眞子からの一報、もしくは誤報?を思い出した。



『そうだ!ねぇ、今日連絡くれた、牧さんが柊介に会議中に怒鳴ったって話なんだけど。』

眞「ああ、それそれ!どうだった?会議後の牧さんと話した?!」

『うん。それがね、何のことか分からない、風な感じで。全然話が通じなくて。』

廣「牧さんが怒鳴る?会議って、今日の会議?」



鼻まで赤い廣井さん。
心底可哀想。



眞「うん。会議中に、牧さんが清宮さんを怒鳴りつけたってウワサで聞いて。」

廣「はぁ?清宮を?・・・何の話だろ。全くそんな場面無かったけど。」

眞「そうなの?!じゃあ、ガセネタか。」

廣「どっからのガセネタだよ。」



だから、ウワサって言ってんじゃん、と。
眞子は小さく膨れて、ストローでモヒートを吸い上げた。



廣「大体、何で牧さんが清宮を怒鳴るんだよ。」

『なんか・・・私との婚約破棄の話になったとかで。』


助け舟を出されたテイで、眞子が激しく頷く。
目を細めて、回想に耽る廣井さん。



突如。


廣「ああ!もしかして、あれか?」


アニメのワンシーンのように、見事に膝を打った。


廣「そのクダリで牧さんが一喝したのは、清宮じゃない。」


普段、童顔のせいで若々しい廣井さんだけど。
そんな仕草に、可愛らしく年を感じてしまったり。



廣「平相談役だよ。」




点と点が、繋がって。

無意識に予期していた私に反して、素っ頓狂な声をあげたのは。



眞「タイラソウダンヤクぅ?!?!汗」



眞子だった。