暗闇に、私の声の残響が響いた。
エリーにも、その声の響きしか届かなかったようで。
「何?」
相変わらず、柔らかな表情で聞き返す。
『柊介と、別れたの。』
「え?」
『だから、別れたの。綺麗さっぱり、さっきちゃんと別れたの。』
そこでやっと、息を飲んだ。
みるみる丸くなる瞳。私の鼓動も早くなる。
「まじか・・・、」
何で?とか、何かあった?とか。
色々聞かれるかもしれない。
うまく言えないかもしれないけど、頑張って伝えなきゃ。
なんて、思っているのに。
「そっか・・・。」
驚きを見せたのは一瞬で、見る間に落ち着きを取り戻していくよう。
その瞳も、もう他の事を見ているような遠さで。
「・・・・・・。」
妙な、沈黙。
こうなったら、何か言って欲しい。
質問でも、引き止めでも、叱咤でも。
なんでもいいから、言葉を繋いでほし________
「で?」
凍った。
エリーから返って来た一言、は。
予想のどれにも合わない、冷たさだった。