遠くに水が叩きつける音が聞こえた。



・・・これはシャワー?
誰かがシャワーを浴びてるの?


ゆっくりと開いていく視界に入るのは見知らぬ部屋。


・・・じゃ、ないか。
ここは完璧モンスターのお住まいだ。





どうやら、寝ていたらしい。

まだ完璧には取り戻せない意識の中で、身体の状態から推察する。
ソファに横たえた身体。柔らかいブランケットの肌触り。


夜明けが近いのか。
明るくなり始めた部屋には、朝の空気が浮かび始めていた。


まだ起きたくないなぁ。
もう少しだけ、寝ていたい。





うっすら細目で開く視界に、近い距離で八坂さんの足が見えた。
ホワイトのスウェット。荒れたテーブルの上を片付けているのか、忙しく動き回っている。

体調、戻って来たのかな。気配に、いつもの几帳面な隙のなさが漂ってる。


よかった。今日明日、ゆっくり休めば熱も下がるよね。





八坂さんがここにいるってことは、シャワーを浴びてるのは柊介か。


鼻先をブランケットへ沈めた。

私もあと少し。寝かせてもらお・・・
薄く開いていた視界を、気持ち良く閉じて___________













一瞬、香りが近い気がした。

八坂さんの気配。

勘違いでなければ。

それは、とてもすぐ側にあるような。








唇に

柔らかさが押し付けられた。





そっと、だけど確かに。

啄んで、離れた。











遠くなった気配。
積み重なっていた資料や、食器を運ぶ音。

また離れて、片付けに戻ったんだと予想する。










硬直する。目が開けられない。




なにこれ。

なにこれなにこれなにこれなにこ、





なれこれ!!!!!!!!!!!汗






見てない。確かめてない。

だけどあの感触は間違いなく



八坂さんは、今






寝ている私にキスをした。