―拓真side ―

「んだよ、あいつ…」

俺はあいつの言うとうり、朝から機嫌が悪かった。

――親のせいだ。

俺たちは、もう高校3になる。

早めに進路を決めて準備しなくてはいけない。



そんなことわかってる。


わかってるのに。


家に帰る度に、

「進路はどうするんだ。」

進路のことばっかり。

しつこいんだよ。


俺は、麻友美に八つ当たりしてしまったのかもしれない。

脳裏に、麻友美の泣き顔が浮かぶ。



『もう、いいよっ!帰るっ!』



傷つけたよな。

あいつのこと思うと、苦しくなった。