―拓真side ―

階段を

走ってのぼる。

「はぁ、はぁ」

もう少しで屋上だ。

麻友美はいるだろうか。

居たら、昨日はごめんって真っ先に謝ろう。

そして、大好きだ!とも。

大切な、大切な人だから―――。


麻友美に
ひどいこと言って、

傷つけたのは俺―――。

だから

俺には言う資格が無いことは分かっている。

でも

言わせて。

「好きだ―――。」

伝えたくて、思いっきりドアを開ける。

ガチャッ