私は急いでメーカーさんに連絡をし、在庫が在るのを確認すると頭を受話器越しに何度も下げて早急に間に合うように頼み込んだ。
大和め…帰ったら覚えてろよ!
その後は忙しいながらも仕事に集中して気づけばお昼になっていた。
真尋とお昼を食べながら旅行の買い出しについて話をしていた。
「来月って言っても旅行は後二週間だね。
だけど行きのバスだけお酒と摘みを飲むくらいだし日本酒は社長が持ってくるし私達が買うのはビール二ケースにチューハイを何種類か適当に買って後はお茶やジュースに適当に摘みを選んで、飲み物はクーラーボックスに入れておくだけだし、ノンアルコールも少し多めに買っとけばいいよね?」
真尋がそう言った。
「朝の十時にバスに乗って飲みだすし、軽くなら分かるけど朝から酒を飲むなんてまず有りえないよね。
楽しい気分で旅行を楽しむって事で飲んでるみたいだけど、次の日の観光なんて皆が二日酔いだもんね。
私はあまり飲まないようにするよ。」
「私も…二日酔いだけは嫌だしね。」
まぁ…せっかく旅行に行くんだし観光くらいは楽しみたい。
温泉だってゆっくり浸かりたいしお酒は夕方の宴会だけで十分だ。
帰った次の日からまた仕事だし、月曜日は今日もそうだけど忙しいしね。
そんな話をしながらお昼休憩も終わり、午後からも仕事を頑張った。
残業を一時間して帰りの支度をしていたら大和が会社に戻ってきた。
「お疲れ様です!」
周りの皆も"お疲れ様です"と言い、私は大和の顔を睨んで"お疲れ様です"と言った。
そんな私の顔を見ても気にしていない大和は、私の席にやってくると耳元で言った。
「もう少しで仕事が終わるから待ってな?
今日は桃華の好きな物を食べに行こう!」
た、食べ物で機嫌を取るなんて私は子供じゃないんだから!
「別に何も食べたくない…」
こう言ってしまった私は十分、子供かな?
「じゃあ帰りに好きなもの買ってやるよ!」
ドヤ顔で勝ち誇ったように大和は私に言った。
「べ、別にいらない!」
ちょっと喜びそうになったがグッと堪えた。