「おはよ」

彼女の名前は知らない。

太陽の光に当たると茶髪に見える
細くふたんわりし髪の毛。

真っ白のきめ細かい肌に
大きな瞳に少し目じりが下がっている。

透き通るようなどこか弱弱しいのに
耳までしっかり届く不思議な声。



どこからどうみても
彼女は「美人」そのものだった。





「おはようございます」

僕がそう答えると
彼女は困ったように笑った。



「私同じ学年ですよ」

からかうようにいうのでもなく、
疑問系で聞いたのでもない。

なんとでも返せるようなイントネーションで
彼女はいった。