それから少年は

毎日丘に来ては木に話しかけて

日が暮れると帰っていきました。

そんな日がいくつも続き

2回目の夏が来ました。

少年は大きくなりました。

今日もいつものように話しかけていると

1人の幼い少女がやって来ました。

滅多に人がこないので

少年は驚いて

「君、どうしたの?」

と、問いかけると

少女は何も答えずにっこり微笑みました。

爽やかな夏の日でした。