また夏が来ました。

少年は泣き止みました。

泣けませんでした。

涙が出てこなくなりました。

少年は久しぶりに丘に行きました。

そこには変わらない丘と木がありました。

前と同じように木に腰掛け

ため息をつくと

そこに

白い綺麗な1輪の花が咲いていました。

華ちゃんのようでした。

笑っているように見えました。

見守っててくれるような気がしました。

とても幸せな気分になりました。

2回目の夏を思い出しました。

そして少年は花に向かって

こう言いました。

「華ちゃん今日も綺麗だね。華ちゃん…好きだよ」

爽やかな夏の日でした。