「木島さん?お願いします。牧瀬伊都さん」
はじめましてと簡単な挨拶をすませると、木島さんさんは、二人を店の奥へ案内した。
店の奥にも、フィッティングルームとスペースがあった。
木島さんは、理貴が頼んだ通り、全身のコーディネートを用意してくれていた。
「相手が理貴さんなら…」
伊都が何か言いかけたのを、理貴が時間がないよと止めた。
「こっちかな。早速着てみて」
伊都は言われた通りに、用意されたアクセサリーまで身につけた。
「シンプルなのも、良く似合うね。どお?」
「はい」
あなたがいいなら、これでいいと、理貴に向かってうなずいた。
「うん。やっぱり可愛いね。あと、髪とメイクは?」
「服が決まれば、すぐやれますよ。今日は、理貴さんのエスコートでどこへ行くの?」木島さんが質問する。
「映画を見るだけだよ。ありがとう」
「どういたしまして」
シフォンのワンピース、に髪を緩くまとめて、優しい春の色のカーディガンを羽織った。伊都は、驚いた。結構かわるものだ。
「うん。さすがプロ」と理貴。
「待ち合わせ、大丈夫?」
「はい。今日はありがとうございました」
「その荷物、預かっておくよ。明日持って帰ればいい」