透は、この春から同じ高校へ通う同級生。

今年、同じ高校に合格したら、付き合おうと透に言われて
付き合うことになった。


付き合うといっても、中学のときとなんら変らない。

おしゃべりをしながら、学校へ行くだけだよ。と透が言う。
普段と何も変わらないって……


でも、毎日、家の前で待ってもらうのは、どうなんだろう。

大変だから、先に学校に行ってと言った方がいいのかな?

と伊都は思ったりする。


透は、どう思ってるのかわからない
けど、伊都は透と一緒にいるのは
楽しいし、不満はない。


学校までは、電車で30分。
駅から10分ほど歩くと、校門に着く。

確かに、一人で通学するより透もいた方が楽しい。


「今日は?伊都、まっすぐ帰るの?」
透が、伊都の顔を近づけて言う。

そんなふうにしなくても、ちゃんと聞こえるよと言うと、透は少し不機嫌になる。


だから、伊都もその事は口にしない。
「帰るけど、バイトの面接がある」


「もしかして、掲示板に貼ってあったやつ?」
透が、難しそうなこと考えてる時の顔しながら言う。


こういう時は、止めないけど俺は反対と言う意味だ。

透とは、付き合いが長いからわかる。


「うん」