席についてすぐに会長が入ってきた。
白髪交じりのおじいさんと言う感じだ。
一筋縄じゃいかない白髪頭の爺だ。
まず、葵が説明を始める。
やっぱり、こいつ何も考えてない。とユウは思った。
伊都のアドバイスで、おもちゃのような
アニメのコスプレではなく、
御社のちゃんとした製品の学生服を、持っていったらどうか、ということになってこちらにお願いに来た。
そういう主旨の話を葵がした。
ユウは、少し上から目線で大丈夫かと、何度か止めようとした。
「学生服は、きちんと寸法を測るので、フランス側の担当者と打ち合わせする必要があります」
「それで?」会長は、気のいいお爺さんのように葵の話を機嫌よく話を聞いてる。
「ゴールデンウィーク辺りに、
フランスの学校で制服の為の採寸を行いたいと思います。
急な話したとは思いますが、現場の熟練の採寸の担当者さんを何名かお借りしたいのですが」
「ほう」
メーカー側の出席者は、会長その人。あとは、秘書のような人、つまりおつきの人が一人。
何となくやな予感。
担当する部署のひとは誰も来てない。