学校の制服にしては、生地が小さすぎ。
リボンが大きくて実用的ではないと伊都は思った。
次々に着せ替えられて、葵さんが英語でナレーションを入れていく。
「今度は、コスプレ終わり。こっちのブレザーを着て……あっ、髪戻さなきゃ。
ちょっと脱ぐの待って……録画止めて」
「大丈夫」ケンサクが答える。
葵さんが、着替えを渡しながら言う。
「夏服を着て、冬服を着る。その間に合服も着る。いろんなパターンが着られるし、温度調整がしやすい。よく考えられてるの。
これさえあれば、服をいくつも買わなくてもいい。アニメで着てたっていうだけじゃないの。実用的じゃなきゃ。
だから、成績優秀で貧しい家庭の子に、授業料だけでなく、制服も渡してあげる。洋服を買えないことで、惨めにならなくて済むから」