そういえば、今日、透と話してたことを思い出す。


怪しげな会社って、怪しげな格好をさせてビデオを撮るって。


そんなんだったらどうしよう。

だって、怪しいことばかりだし。


「いろいろメーカーにサンプル作ってもらってるの。とりあえず、これ着てみて。

着替えたらメイクするね」制服何着あるの?って言うほど、いろんなタイプの制服がラックに掛けられていた。


「ちょっと待って下さい。あの…私、カレー作らないと夕飯に間に合わない」


「何?どうかしたの?着替えてから作ってもらえばいいよ」
とユウがアドバイスする。


「そっか」葵もそれで納得する。

伊都は言われた通り、でっかいリボンが胸のところに付いた制服に着替えてキッチンに向かう。

みんなから、
「うさぎちゃんだ」
おおおーっという声があがる。


「すごい!!変るもんだね。
本物のセーラームーンみたい!!」


「本物?本物?」ケンサクガ訳も分からず言う。


「アニメのキャラクターに、似てるってこと」ユウが答える。

「もう、ちょっと待って、メイクするから」後ろから葵が引き留める。

「あの…」

「もう少しだから」

葵がメイクバッグを持って来て、かつらを被され葵がユウと相談しながら、伊都の顔にメイクしていく。


「こんな感じかな」

「いいね。ちょっとチビだけど」
ユウがいう。

「かわゆいから許す」

といって葵は伊都を抱きしめた。