会社に行くと、メンバー全員が伊都たちを待っていた。


来栖が、理貴に書類を渡して

「君は今日から、正式にわが社のメンバーの一員だよ」


パンパンとクラッカーが鳴り、
「伊都ちゃんこっちよ!」
葵に手を引っ張られて、ミーティングルームの前で立ち止まる。


「open the door !!」

パーティーの準備ができていた。

オードブルに、メインディッシュ、お酒はないけど、窓ガラスにウェルカムの文字が見える。


「やっと自分より下が入った!」とケンサク。


「でも、たった半年じゃ、部下じゃなくて同期だね」とユウ。


「動機?」


「違う。同級生と同じ、同期生」


「ケンサクさん、この間のお礼に、うちの弟達が、漢字の勉強またしようって言ってますよ」


「それは、もういいから」
ケンサクは、伊都にそう言われて、恥ずかしがる。


「女性が二人になって嬉しいな。でも、これから遠慮しないで伊都ちゃん使えるわ!」と葵。


「あれで、遠慮してたんですか?」多樹が珍しく突っ込む。


「まあ、少しはね。あっ、伊都ちゃん理貴が呼んでるよ」