出来上がった動画は、館野先生のスタジオで撮影され、
メンバーで作った頃の作品とはまるで違った内容になった。
「さすが、プロの仕事だね」葵がカメラ役を務めたユウをからかう。
「俺は、やりたくてやってんじゃねえ」
「プロに取ってもらうと、伊都ちゃんすごくかわいく見えるね」と葵。
「もとから、いいよ」理貴の一言に、みんなが一度に理貴を見る。
「本当に、いいと思うよ」
伊都の目的は、一人でも多くの子が、冷たい食事を取らなくてもいいように、味気ない食事を取らなくていいようにすることだ。
電子レンジを使えば、料理は、子供手でも、沢山作れるってことを多くの人に知って欲しい。
「どう?目的は達成できた?」
「理貴さん、まだ動画撮ったばっかりですよ」
「大勢の人に見てもらうのも大切だけど、君の考えがしっかり生かされてないと意味が無いだろ?」
「はい。それは、大丈夫です。館野先生は、私以上に分かってくれています」
「そっか、それはよかった」
「私、先生のところでもう少し勉強して、会社で何か出来ることをしたいです」
「舘野のおばさん、喜んでたよ。あの人も、自分の子供が小さいときに離婚したから、子供のために何かしたいと言う気持ちが強いんだ」
「舘野先生の所は厳しいですけど、勉強になります」
「また、一緒に仕事したいそうだよ。受けるかい?」
「はい。是非に」
「わかった。でも、
メンバーは君の食事が食べられないのは、ありえないらしいよ」
「時間、何とかやりくりします」
「朝は、俺も譲れないからね」
「はい。何とかします」