その日の夕方、理貴は、集まったメンバーに朝に起こった出来事を伝えた。

予想に反して、メンバーから非難が集中した。


「それで、これからしばらくピザか寿司になるわけね」葵が残念そうに言う。

「確かに、彼女が居ないと何か物足りない」とユウ。

「まあ、我慢するのは今日だけで、明日からは、ちゃんと用意しますって言ってたよ」理貴がすまして答える。


「嘘?伊都ちゃん、いつ用意するのよ」
葵が心配する。


「朝、学校行く前に来てるんだろ?」
とユウ。


「なんだって?」
ケンサクが驚いて言う。


「朝、何時に来てるの?」と多樹。


「6時頃かな」


「そんなに早く、起きてるのか理貴?それとも、伊都ちゃんに起こしてもらうのか?」ユウがふざけて言う。


「ふざけんなよ。働きすぎだろう?個人的な理由で呼びつけるなんて」
ケンサクが不機嫌な態度をとる。


「ここにくることは、彼女自身の意思だ」


これには、ケンサクと理貴以外のメンバーが顔を見合わせた。

ユウが、まったくめんどくさい男ってつぶやくと、横にいた葵がくすっと笑った。


「料理教室に行くのもずっとじゃないし、帰ってきたら、レベルアップしてるだろう?」多樹が、相変わらずフォロー役に回ってくれる。



「ケンサク、伊都ちゃんに会えないからって、しょんぼりするな」ユウがからかう。

「しょんぼりなんてしてない」