「おばさん、俺どうしたらいい?」理貴が笑いながら見ている。
「この動画、海外のほうが感触がいいのよね?」
「ああ、ケンサクが再生回数の割合が、10対1だって言ってた」
館野先生の瞳がキラッと光った。
「そう、なら反応がいい地域からやっていきましょう!!外国で注目されてるって言った方が反応がいいもの。あっらあ、忙しくなるわ!!」
「それで?」理貴が尋ねる。
「とりあえず、出版社には謝っておいて。何なら版権買い取るって形でもいいわ」
館野先生もすごいなあ。理貴を慌てさせるなんて。
「わかった。ちょっと待って。おばさん!!いったい、何を始めようとしてるの?」
理貴が笑いをこらえきれずに言う。
「何言ってんのよ!!私に黙って、本なんか出そうとして、こっそり動き出してんじゃないの!!何で連絡してこないのかってやきもきしてたのよ。今は、昔なじみなんかより、彼女のことで頭一杯みたいだけど」