「他意はないさ。純粋な気持ちで分けたらそうなった。それに、そんなにたくさん面接して時間を割くわけにいかないし。ちょうどよかった」

理貴は、椅子に深々と腰を掛けて、リラックスしている。


葵は納得してない。全然。

葵はどんな些細なことにでも、ベストを尽くす。

自由と平等と博愛の精神に、例外はないのだ。


最良の選択をするがモットーで、それがたとえアルバイト一人雇うのにも同じた。

理貴は、もっといい人材がいたかもしれないのに、そのチャンスを捨ててしまっている。


「それにしても、面接するのは一人だけって何?」


葵は、まだ、やる気だ。一歩も退く気がない。


他のメンバーは、話しかけるタイミングを失った。


二人とも議論しだしたら、お互い譲らない。