ぼーっと考え事をしていると、ある男の子に目がいった。






「みろ!これ!新作!」








「おー!やべーな!!」








「だろだろ!!」







その男の子は友達ととても楽しそうに話していた。






「ステキな笑顔だなぁ。」







すると、その子と目が合ってしまった。






私はパッとそらした。




あとあとの自己紹介で大池 睦月【おおいけ むつき】であることがわかった。







「なに見てるのー?」







さっきから孤立気味だった絢香さんが話しかけてきた。







「絢香さん!」








「やだあ、さん なんて!絢香でいいよ。」






「じゃあ、私も沙夜香で。」








「おけおけ!でー、沙夜香はなに見てたのー???」







絢香は私の視線の先を見た。







「もしかして、睦月くん?」







「、、、、」








「当たりね!睦月くんもさっきから沙夜香のこと見てたよ!恋人?」








「私、彼氏いないよ。だから、恋人なんかじゃない。」








「そっか〜。それはザンネン。」








授業が始まる予鈴が鳴ったから絢香は席に戻った。