ガラガラっという立付けの悪そうな音とともに、教室の前のドアが開いた。

たなが来たらしい。


「わりいな、今日早く終わるはずだったんだけどちょっと長引いた」

そう言いながらドアを閉めて、教室に入ってきた。
部活終わりだから練習着のままで、大きなカバンを持って、頭からタオルをぶら下げている。

額と首筋に少し汗が光っている。
たなの少し長いサラサラした髪から、汗が粒になって落ちようとしていた。

たなは自分の席にカバンを置き、机に座ってアタシの方に向き直った。