学校が見えてきた。

正門の前で止まる。

この学校は築30年以上の古い学校だ。

もともとボロいとは思っていたものの、
今日は1段とボロく見えた。

鳥などもいない。

静かだ。

そう思っていると、カラスが群れになって
避雷針付近に集まってきた。

「気持ち悪。」

そう言い捨てて昇降口へ入った。



ーーーーーーーーーおかしい。ーーーーーーーーー

静かすぎる。

この学校は今大体
全校生徒500人
1つの学年で5クラス
1クラスでは35にんほど
の大人数の生徒が通っている。

それなのにも関わらず物音一つしない。

今日実は学校休みだったりして
などとふざけた希望が頭をよぎる。

自分のクラスについた。

みんないた。

一点を見つめて。

固まっている。

だるまさんが転んだでもやっているのかのようだ。

瞬はみんなの視線の先を覗く。

その瞬間瞬も固まった。

メドューサなどではない。

死体だ。

首から下はない。

目は飛び出しそうになっており、
髪は乱れている。

そこらじゅうに血が飛び散っている。

粘り気がある。

瞬は自分の足元まで赤くなっているのに気づいた。

その近くにスーツ姿の首なし死体がある。

首の持ち主であろう。

足はバラバラになり、手の原型はわからない

中学生には刺激が強すぎる。

女子が悲鳴を上げるのは驚く時だ。

今は驚くなどというレベルの問題ではない。

顔をよく見ると渋谷の顔だったと思う。

混乱で視界が定まらない。

心臓が活発になる。

眩暈でしゃがみこむ。

朝ごはんをだべなかったための貧血ではない。

あまりの気持ち悪さに床に向かって吐く女子もいた。