たしかに、里香は可愛かった。クラスの男子からも、そして女子からも人気が高い。スタイルも良いし、勉強も、スポーツもできた。勉強しか取り柄のない俺はいつも里香に引け目を感じていた。しかし、この時の俺はまだ里香を女としては見ていなかった。単なる幼馴染だ。それ以上でも以下でもなかった。俺は勉強を一時中断し、里香の方へと向き直った。
「それ、自分で言うか?」
「事実を言ったまでよ」
一体その自信はどこから出てくるのか。俺が言葉を返せずにいると、里香は話を続けた。
「あんた、もう貰ったの?」
「何をだ」
里香は少し言いにくそうに、言葉を詰まらせていた。
「チョコよ。チョコ。今日はバレンタインでしょ」
「あぁ、そういえばそうだったな。忘れてたよ」
「男子にとってバレンタインって一年で一番ドキドキする日でしょ?それを普通忘れる?」
「俺はバレンタインなんてくだらないことにかまけてる暇が残念ながらなくてね」
「要するに、一個もチョコ貰ってないのね?」
「なんだよ。悪いかよ」
「しょうがないわねぇ」
そう言うと、里香は懐から何やら取り出した。正方形型の箱で、綺麗にラッピングもされている。
「それ、自分で言うか?」
「事実を言ったまでよ」
一体その自信はどこから出てくるのか。俺が言葉を返せずにいると、里香は話を続けた。
「あんた、もう貰ったの?」
「何をだ」
里香は少し言いにくそうに、言葉を詰まらせていた。
「チョコよ。チョコ。今日はバレンタインでしょ」
「あぁ、そういえばそうだったな。忘れてたよ」
「男子にとってバレンタインって一年で一番ドキドキする日でしょ?それを普通忘れる?」
「俺はバレンタインなんてくだらないことにかまけてる暇が残念ながらなくてね」
「要するに、一個もチョコ貰ってないのね?」
「なんだよ。悪いかよ」
「しょうがないわねぇ」
そう言うと、里香は懐から何やら取り出した。正方形型の箱で、綺麗にラッピングもされている。