主導権を握ったこの日の梅吉は、ワガママ三昧だった。
アクション映画に、ボーリングに、メンズのアクセサリーショップ。
あたしが興味ない所ばっか、無理やり付き合わせて。
こんなの、友達とでも行けるじゃん。
なのにわざわざあたしを引っぱりまわすなんて、よっぽど中学時代のストレスたまってたんだろうか。
「次、あの店行こう」
「えーっ。また梅吉の趣味じゃん」
「当たり前だろ。今日は俺に主導権があるんだから」
「はいはい」
でも何だかんだ言って、初めて行く場所はそれなりに楽しかったんだ。
アクション映画は今まで毛嫌いしてたけど、観ればけっこうスカッとしたし。
ボーリングも、久しぶりに体を動かして気持ちよかった。
それに……
「暑いなぁ。日陰えらんで歩こうぜ」
もしかしたら、思い違いかもしれないけど……
梅吉は、できるだけ屋内で遊べる場所を選んでる気がした。
それはただ単に暑いから?
それとも、あたしが日焼けしたくないって知ってるから?
こんな風に梅吉の心の中、探ろうとしてしまうあたしは
いったい、どうしちゃったのかな。