「さ~てと。今日はどんな風に、俺の言いなりになってもらおうかな」


楽しそうにニヤニヤしながら、作戦(?)を練る梅吉に、あたしは思わず身構えた。


昔なら全然怖くなかったけど、
NEW梅吉は手ごわそうだ。

不敵の笑みが妙にあやしいし。

……あっ。


「ま、まさかあんた、エッチなこととかする気じゃないでしょうね?」

「するよ。当たり前じゃん」

「えええっ!!!」


ムリ! 絶対ムリ!!
ありえないからっ。


「なーんてね。嘘だよ」

「……へっ?」


クックッと肩を揺らして笑う梅吉に、あたしはボーゼン。


「やべー。杏ちゃんからかうのって楽しい。まじ快感」


な…何、こいつ。キャラ変わりすぎでしょ。
てか殴っていいすか?


「あれ? もしかして杏ちゃんって、処女?」

「ななっ何が!? てか、そういうあんたはどうなのよっ」

「そりゃあ、それなりに」


風に揺れる髪をかき上げ、梅吉は言った。


「……」

「さ、行くよ。杏ちゃん」


あたしの前を歩く背中は、心なしか広くなったよう。

……たった5ヶ月、会わなかっただけなのに。

そっか。梅吉、いつのまにかオトコになっちゃったんだ。

そっか……。