君は俺よりずっと大人だから、もう割り切れてるのかと思ってた。


でも、そんなことなかったんだ。


たった一言の言葉ですぐにわかった。


「あっちで座って話聞いてくれる?」


さっきと変わらない声で君はそう言った。


俺はどうすればいいかわかんなかった。


だから返事をすることも、動くこともできなかった。


そんな俺を見て、君は俺の手に触れた。


俺は驚いて、顔をあげた。