俺の見つめるその先に、黒い道が伸びている。 暗い道が。 夜の道ってこんなに黒いんだな。 俺ずっと知らなかった。 思い返せば、ずっと前ばっかり見てた。 空ばっかり見てた。 道なんてずっと見てなかった。 足元なんて。 下なんて見ようとも思わなかった。 だからずっと夜の道がこんなに黒いなんて知らなかった。