今日は待ちに待った日曜日


俺も珍しく休みが取れて
高校生の柚はもちろん学校は無し。



最近はバタバタして
家でもあんまり会えてなかったから
久しぶりのデート。



一週間前から
柚は楽しみでそわそわしてるらしい笑




不安だった喘息も
3日前からだいぶ落ち着いた

寝顔も気持ちよさそう。






でも今日は朝から予定が詰まってる

そんな呑気なこと言ってたら
後で柚に怒られる笑








「ゆずーっおはよ
ゆーずー起きて」



「ん……?」


「今日出かけるんでしょ?
9時だよー」


「んっぉはよ…」


「おはよ
ご飯あるからおいで」




まだ半分眠ってる柚の頭を撫でて
俺は朝食を用意するために
リビングに戻った






若干寝癖のついた髪を弄りながら
寝室から出てきた柚は
若干顔が赤い気が…




気にはしつつも
完全に目の覚めた柚が座るテーブルに
朝食を用意して俺も座った















「いただきまーす
て、龍ー起きてたなら
もっと早く起こしてよねーっ」



「言うと思った笑
毎朝早いんだから
日曜ぐらいゆっくり寝てろ」


「んーっせっかくのデートなのに!
だから早く支度しなきゃ!」



「その前に。
柚ご飯中悪いけど体温計って」


「…へ?
あ、うん」



「なんか顔赤い。」


大丈夫だよとか言いつつ
脇に体温計を挟む柚。


こんな日にこんなに素直なのは
相当体調が悪いか
全く自覚がないほど些細なことか…



後者であって欲しいと思う俺も
相当デートを楽しみにしてたんだけど…
それは柚には言わない





「ぜったいないよーっはい!」

と、音を立てた体温計を
すぐに俺に渡してきた


「6度5分…確かに……
ちょっとだけ高いけどな」



「寝起きだからだよ
今日は本当に元気だから!
ね?大丈夫だから‼︎」



「その大丈夫に何度騙されたか…」









「まぁまぁっ」
とか言って
早々に朝食を済ませた柚は
せっせと支度に取り掛かった




顔色も悪くはないし
ご飯もいつも通り……

俺の気にしすぎか。











そう思って
特に何の対策もせずに出かけたことに
後から後悔することになるんだけど…


今はそんなこと知らずに
ただただ支度を進め
可愛さを増す柚を見つめてた














「できた!お待たせっ」


「おう。じゃあ行くか」


「うんっ!」


二人で手をつないで家を出て
車に到着。

そこでようやく俺は聞かされる


「で?今日はどこ行くの」


「ふふっ
今日はねー…映画!」


「映画?なんの?」


「ずーっと見たかった恋愛のやつ!
それでもいい??」


「柚が見たいならなんでも。」


「ありがとっ!
それで、それが3時からだから
ショッピングして、お昼食べて…」



「わかった。
じゃあいつものショッピングモールね」


「うんっ!お願いしまーす」




そう言われ張り切って車を発車させた












「こんなにたくさん
買ってもらっちゃってごめんね?」



「俺が払いたいからいいの。
欲しいもの買えた?」


「もう十分すぎるくらい
ありがとう」


「どういたしまして
そろそろご飯行くか?
なにがいい?」



「えーどうしようっ」





デートだから気合を入れたのか
短いパンツから伸びる綺麗な足

通りすがる男たちに
二度見も三度見もされてることに
本人は全く気づいてない



そんな柚の腕を組み
俺は自慢するかのように堂々と…


俺が払うのに
いつも気にして
お財布をきちんと持ってくる

そんな優しさ俺が独占してるなんて
考えただけで嬉しさが増す



「りゅうっ」


「あ、ん?」


「きいてる?」


「あ、ごめん
考え事してた」


「大丈夫?」



「あぁ。で?なにがいい?」


「このパスタとピザのお店
どう?」


「うまそう。ここいくか」


「うんっ」