と、いうことで私は彼のアパートに住んでいる。って言っても生活費は出しているし何もやましいことはない。ルームシェアみたいな感じ?同居?みたいな感じ。
思い出に浸っているといつの間にかお酒がなくなっていてもう一本、そうとりに行こうとしたとき。
「月が綺麗ですね。」
彼は、そう言った。月をただジッと見つめて。今日は多分満月。真ん丸な満月の横にフワフワと雲がある。乗ってみたい。
「うん?」
意味がわからなかった。確かに綺麗だけど……。
「……もう、こんな関係は止めよう。」
──息が止まった。
苦しいとも感じず、ただ自然に無意識に。