準備もできて玄関に向かう。玄関に行くと毎回あの日の彼を思い出す。消そうとブンブンと頭を振る。
「いってきます。」
そう、一言言ってドアを閉めた。
*
書店について、お目当ての雑誌が見つかって他になにかしらないかなぁ~っと呑気にフラフラしていた。
パッと目に入った本があった。なぜかわからないけど、凄く読みたくなった。
手にとり、急いでレジに向かう。すぐに、本をだして会計をすると私は自分でもわからないほど早く歩いた。
寄ろうと思っていたカフェにも寄らずに真っ先に家に戻った。
「ただいま…」
珈琲を用意して本を置く。ゆったり読みたくてソファに深く腰かける。
パラッとページを捲った。一文、少し大きめに書いてあった。
『あなたは、大切な人を守ることができると断言できますか。』