準備もできて玄関に向かう。玄関に行くと毎回あの日の彼を思い出す。消そうとブンブンと頭を振る。

「いってきます。」

そう、一言言ってドアを閉めた。






書店について、お目当ての雑誌が見つかって他になにかしらないかなぁ~っと呑気にフラフラしていた。

パッと目に入った本があった。なぜかわからないけど、凄く読みたくなった。


手にとり、急いでレジに向かう。すぐに、本をだして会計をすると私は自分でもわからないほど早く歩いた。

寄ろうと思っていたカフェにも寄らずに真っ先に家に戻った。


「ただいま…」


珈琲を用意して本を置く。ゆったり読みたくてソファに深く腰かける。


パラッとページを捲った。一文、少し大きめに書いてあった。


『あなたは、大切な人を守ることができると断言できますか。』