するとアイツは、うつむきながら怒りを抑えるかのように小さく口を開いた。

「…ぉまぇだって…」

「はぁ?何っ?」

よく聞こえなかった私は興奮しながら聞き返した。

「お前だって、俺の事見てくれたかよ!?元彼忘れられないからって、ずーっと避けて…俺の事なんか、少しも見ようとしてくれなかったじゃんかょ…」

胸が苦しかった。
彼が言ってる通り、私は頭の片隅にもコイツを見ようという気持ちがなかった。