自分自身へイライラを募らせたまま
私は事務所内の多目的室へと足を進める。



その廊下で、



「あ……」



静くんと鉢合わせした。



久し振りに見る静くんに私は妙にドキドキが止まらない。


何で私いつも通りに出来ないの?!


平常心、平常心…



落ち着いてきた私は、
『蓮見静』に挨拶をしようとする。



「あ、おはようございま…」


「楠サン、俺先に行ってます。」






久し振りに聞いた静くんの声は、



私の言葉を遮った



冷たい声だった。