教室の入口から少しだけ見えた静くんの後姿。


ちょうど階段を下りていくところだった。



隣には宣伝係(?)の向井くんがいて、


その2人の後ろを駆け足で追いかけていく数十人の女子達がいた。




「…アイツのお陰よ、舞。」


「へっ…?
もしかして、静くんが…?」


「そ。舞のデビューが決まってすぐに学校に連絡して、
生徒たちの混乱を抑えて下さいって頼んだみたいよ。」


「うそ……。」


「あくまでも噂よ?実際に自分はまだ女子たちの混乱を止めてないじゃない。」




静くんが、私のために…?