「ちょっとー、どうしたの舞。
ボーっとして。仮にも芸能界デビューしたっていうのに。」
「うーん…そうだねー…って、え?!」
サラッと結構大事なことを言った加奈子に
上半身を机から乗り出し近づく。
「え…観たんだ…あの生放送。」
「当たり前じゃない。ビックリしたわよー。
メイクして綺麗になってたから一瞬見間違いかと思ったけど…
次の日のワイドショー観て確信したわ。」
「それって…このクラスのみんなも分かってるよね?」
私は小声で話しながらクラスを恐る恐る見渡した。
さっきから私の方を全然見てないみんなだけど、
加奈子と話している時に少なからず視線は感じたんだ。