ガラガラッと教室のドアが開いた。
クラスの人気者くんの登校に男女問わずクラスの人がざわつく。

「泉水くんおはよー。」

ほぼ一斉に色々な声が聞こえる。

「みんな、おはよ。」

そう微笑みながら挨拶する彼の名前は
相澤 泉水。そして私の隣の席の人間だ。


新学期そうそうの席替えで不運な事に1番座りたくない席についてしまったのだ。


しかし、当然ながら会話をすることもなく周りも相澤くんしか見えていない。

オーラの違いはとても大きいものだ。


女子や男子が相澤くんの席の近くに群がり、自然に邪魔者扱いされるわたしは黙って席を立ち廊下の窓から外を見つめる。

「はぁ...」

心の溜息が漏れてしまいとっさに周りを見渡す。外をもう1度見直して見れば大きな桜の木が風に揺れていた。