ファンの子たちが逃げて行ってしまったため、必然的に二人きりになってしましまった。
昨日の今日だから少し気まずい。
「曜、ごめん。俺のせいで辛い思いさせて。しかも、全然気づいてやれなくてごめん」
「別に真尋が謝ることじゃないし」
ありがとう、って言いたいのにこんな時にも素直になれない自分に嫌気がさす。
「そっか。でも、好きな奴のピンチに助けられない俺は情けねぇな」
また“好きな奴“って言った。
多分、真尋は幼なじみとしての“好き“って意味でそう言ったんだと分かってるけど、なぜかドキッと胸が高鳴った。