私たちはみんなが授業を受けている間、

学校をこっそり抜け出した。

「どこ行くんですか?」

聞いても答えてくれない葉瑠は

ただ私の手を引いて目的地へと歩いていく。

その背中は、なんだかとても安心できた。

私は一体、なんでこの人の言うことなんか聞いてるんだろ。

「着いた」

葉瑠と私の目の前には住宅街に

ひっそりとたたずむ神社だった。

「神社です!」

葉瑠が、満面の笑顔で私に紹介した。

「はい、見てわかりますけど?!」

「それもそうやな、まあ入ろうや」

私たちは鳥居を潜り、境内の中へ入った。