「死ぬんやったら、命ください」

びっくりして振り向くと

色白で今にも消えてしまいそうで

か弱そうな男の人が喋りかけてきた。

「そんな死にかたでいいんですか?

ちょっとしゃべりましょうや!ね!」

そうゆうと、男はフェンスを超えて

私の方へやってきた。

「おおー!スリルがあっていいなあ。

まあ座って座って」

私は男の言われるがままに、

屋上から足を投げ出す形で座った。

「あの、なんなんですか?

私をからかってるんですか?」

「ああ、そんなんちゃうちゃう。

死ぬのは別に止めへんよ。

ただ、死ぬんやったら俺に

あんたの命譲って欲しいだけやねん。」

なに言ってるんだろうこの人、

意味わかんない。