間違いない! 近づいて顔を見てみると、俺を見上げた顔は… 「梭冴!!」 『翼…』 ぎゅっと抱きしめられた身体… 冷たい翼の体温が伝わってくる。 猫っ毛で少し癖のあるショートボブの髪は、雨に濡れてストレート。 『翼、なんで…』 「会いたかったんだ。」 『…』 雨のせいで、今翼は泣いているのかいないのか分からなかった。 なんで今さら俺のところに? 酷いことを言われた男なのに。