ここでは青木先輩だけが呼んでた名前。


なんか…寂しいな。


ちゃうは、先輩はちゃん付けやったな。




「佐河、冗談やめて」


『なぁ、名前で呼べよ。』




は!?


ちょっと、いきなり抱きついてくんなよ!?


両手を背中に回されて、身動きが取れない…


運良く、公園には誰もいないから良かったものの




「離してーさ!」


『嫌』


「なんで!」


『…下の名前で呼ぶまで離さねー』




耳元で小さくつぶやかれた声…


なんで…なんで…


嫌だ。嫌だ。嫌だ。


今日の佐河…怖い。


いつもみたいに笑ってよ!


逃げ出したいのに…




-麗香 side end-