-麗香 side-


先輩のアホ!アホ!アホ…


自販機でアクエリを買って急ぎ足で戻る。


倒れられたら困るやん。


辛いのにヘラヘラしんといてーや。


その辛い気持ち、うちめっちゃわかるから。




『麗香!!』



…?


同じ名前の子か。


間際らしいねん。


ここでうちの名前呼ぶ男なんかおらんし。





『麗香!おい、坂口!』


「…へっ?」




肩で大きく息をしながら、うちの手を掴んだ男の人…


そして、ゆっくり顔を上げると…




「きょう…が…?」




なんで…なんで…


ありえへんやん。


なんで今さら、前に現れるん!?


しかもその顔、忘れるわけないやん。


好きな人の顔なんか…