しばらく麗香ちゃんを見つめていると、「アホ!」と言われ先を歩いていく麗香ちゃん…


慌てて追いかけるが、伸ばした手は繋げずにいた。


ましてや人混みの中、逸れるに違いない…




『麗香ちゃん!手繋ご?』


「は?嫌や。」


『…はい。』




ほんと、なんで誘われたのかな?


そりゃ…好きな人がいるんじゃ仕方ないよね。


するといきなり足を止めた麗香ちゃん。




『ベビーカステラ…食べたいの?』


「うん」


『おじさん、ベビーカステラ1袋下さい!』


「えっ…」




お金をおじさんの手に乗せると、麗香ちゃんは俺の右腕をぎゅっと掴んだ。