それに比べて俺はなんだ…


ラフ過ぎる服装に、ワックスさえ付けていない髪。


きっと、誰の目にも止まらないだろう。




「…青木先輩」


『えっ?』




肩を落とし、足元に視線を落としたその先には綺麗な浴衣から見える足…


ゆっくり視線を上げると、髪をポニーテールに結び、メイクをしっかりした麗香ちゃんの姿が…!


恥ずかしそうに目を逸らし、唇をきゅっと結んだその唇には、程よい赤が塗られていた。




『か、可愛い…』




しまった!

思わず心の声が漏れてしまった!




「…ありがと」




アレ!?


怒って…ない?