そして8月10日 0時00分…


《プルルルル…プルルルル…》


《『麗香ちゃん、誕生日おめでとう!』》


《「…あ、ありがと」》



寝てたのかな?



《『ごめん、起こしちゃった?』》


《「うん。でも大丈夫。」》


《『良かった…』》




てっきり怒られるかと…笑




《「0時まで寝ずにずっと待ってたん?」》


《『うん。だって一番に伝えたかったから』》


《「アホ!
…でも、嬉しいの方が強いわ」》




あ〜…ヤバイ。


絶対に俺、今すっごいニヤけてるわ。


こんなこと、あいつに1回もしてやんなかったな…


分かってても、言えなくて…


でもあいつはただ普通の普段と変わらない日常として、自分の誕生日を過ごしていた。


あの頃の俺は、自分の感情を全て心の底に押し付けて蓋をしていた。


どうしてこんなにも後悔ばかり思い出してしまうのか…