だけど次に見た時に、これは勘違いじゃないことに気づいたんだ。 俺は完全に君に一目惚れしたみたいだ。 廊下の窓を開けて、空を見上げていた君の髪はあの時と同じ。 風で髪がふわっと浮いて、隙間から見える表情が寂しげだった。 『名前、なんて言うの?』 気づいたら君に話しかけていたんだ。 身体をビクッとさせた君は一瞬、俺を見てから俯いて答えた。 「坂口 麗香です…」 と。